『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)5 容一が章子をふり返る……

容一が章子をふり返る。青いスーツを着た章子は、屈んで草原に群れ咲く白い小さなふくべらの花を摘んでいる。容一は、めだたぬ可憐なふくべらが章子のようだと思った。紫のすみれも、ふくべらにまじって咲いていた。 〈作品本文の凡例〉 … 続きを読む 『果て遠き丘』[ 春の日 ](六)5 容一が章子をふり返る……